一眼レフ初心者が知っておくべきカメラの基本
2015/10/05
今回はカメラの基礎に関する記事を書きたいと思います。
一眼レフカメラを使う上で、カメラについて基本的な知識を知っておくことはとても大事です。
なぜなら基礎を知っているのと知らないのとでは撮影の楽しさが全然違うからです。
実際、僕も一眼レフを買ってしばらくしてから原理や基本について勉強したのですが、撮影の幅が広がりました。カメラ友達と会話する時やカメラを全然知らない人に教える時も、知識があったほうが話が盛り上がりますし説得力もあります。
そこで今回は、これからカメラを始めたい人、カメラを始めて間もない人、カメラを使っているけど基本を知らないまま今まできてしまった人たちに向けて、一眼レフの基本原理に関する記事を書きたいと思います。
デジタル一眼レフカメラ(ボディ)の基本
まず、デジタルカメラはカメラ部分(ボディ)とレンズ部分からできています。
まずはボディ部分について説明しましょう。
デジタル一眼レフカメラの最大の特徴は、レフレックスミラー(メインミラーとサブミラー)とペンタプリズムがあることです。これがあることでファインダーから覗いた時にレンズの像が見えるしくみになっています。
そしてレンズから入った光の像がミラーとペンタプリズムで反射してイメージセンサー(映像素子)に当たることで写真として記録されます。
写真として記録する時(シャッターボタンを押した時)以外はセンサーに光は届きません。
シャッターボタンを押していない状態では、レンズから入った光がレフレックスミラーとペンタプリズムで反射し、光路が曲げられてファインダーに届けられるため、撮影する像をファインダーから確認できるのです。
それでは、各部分の機能について説明していきます。
レフレックスミラー
さっき書いたように、シャッターボタンを押していない時はレフレックスミラーによって光が反射し、ペンタプリズムを経てファインダーから像を見ることができます。
ですがレフレックスミラーの役割はそれだけではありません。
シャッターボタンを押した際にレフレックスミラーが上に跳ね上がることで、ミラーの後ろにあるシャッターと映像素子まで光が辿り着くことができます。
このようなミラーの動きによってミラーショックが生じてしまい、振動や摩擦が起こり少しずつ劣化してしまうという欠点もあります。
ペンタプリズム
ペンタプリズムではレフレックスミラーで反射した光が屈折します。その結果、ファインダーに像を映すことができます。
また、ペンタプリズムで光が屈折することで反転している像を直す役割もあります。
イメージセンサー(映像素子)
イメージセンサーの性能は素子のサイズ、解像度、画素ピッチによって決まると言われており、これの性能によって画質が決まると言っても過言ではありません。
それぞれの数値が高いほど高性能なのですが、画素数が大きいほど画質がいいとは限りません。
シャッター
シャッターは撮影時に開くことでイメージセンサーに光を当てる役割をもっています。
シャッタースピードはカメラの設定でコントロールでき、シャッターが開いている時間(露光時間)が長いと長時間露光と言われます。長時間露光は光の量が少ない星空撮影や夜景撮影などに用いられます。
画像処理エンジン
画像処理エンジンとはカメラに搭載されているソフトウェアのことで、イメージセンサーの他に画質の善し悪しを決める重要な要素のひとつです。
イメージセンサーが変換した画像情報はこれによって写真として処理されます。キャノンではDiGiC5+などが、ニコンではEXPEED4などといったものが搭載されています。
液晶モニター
カメラの背面にあるモニターのことで、解像度が高いほうが撮った写真を確認しやすいといったメリットがあります。
モニターが大きいほうが見やすいのですが、カメラが重くなったりバッテリーを食うといったデメリットもあります。
レンズの基本
一眼レフの楽しい点として、レンズが交換できる点があります。レンズの場合、そのレンズによって映すことのできる写真が大きく異なるため、ボディと比べて様々な種類のレンズが販売されています。
レンズの種類と特徴
レンズの種類を大きく分けると次の3種類になります。
標準レンズ:スナップなどに用いられる、最も標準的な画角のレンズです。
広角レンズ:風景などを撮る際に用い、画角の広い写真を撮ることができます。
望遠レンズ:スポーツ、野鳥、ポートレートなどを撮影する際に用います。画角は狭いですが遠くのものを映すことができます。
また、ズームレンズと単焦点レンズという分け方もできます。
ズームレンズ:焦点距離を変えることができますが、サイズが大きく重いです。また、明るいレンズは高価なことが多いです。
単焦点レンズ:焦点距離が固定されているため焦点距離を変えることはできませんが、軽いです。また、明るいレンズが多いのも特徴です。一般に単焦点レンズのほうが写りが良いと言われています。
焦点距離とF値
ファインダーから見える範囲(画角)は焦点距離で決まり、mmで表されます。
標準レンズの焦点距離は50mmであり、人の視野角と同等と言われています。広角レンズはそれ以下、望遠レンズはそれ以上のものです。ただし、一般にレンズの焦点距離はフルサイズのセンサーを用いた場合の値で示されているので、フルサイズ以外のカメラを用いている場合には注意が必要です。
また、レンズの特性においてはF値も重要です。
レンズに入る光量を調節する際、レンズの絞りを調節すると表現します。F値とはレンズの絞りの開放具合を数値で表したものです。
数値が小さいほど絞りを開放した状態となり、より多くの光を取り込むことができます。F値が小さいほどぼかした(被写界深度が浅い)一眼っぽい写真を取ることができます。
レンズをチョイスする際はこれらの特性に加え、オートフォーカス(AF)の正確さや速さや手ぶれ補正の有無などを加味する必要があります。
レンズマウントを確認すべし!
もう一つカメラとレンズ選びの重要なポイントがあります。
ボディとレンズの接合部をレンズマウントといい、このレンズマウントの形状によって可能なカメラとレンズの組み合わせが決まってきます。例えば、キャノンのカメラだったらEFマウント、ニコンのカメラだったらFマウントといったように、それぞれのカメラメーカーによってマウントの種類が違っているんです。
注意して欲しいのは、同じレンズマウントのカメラとレンズの組み合わせでしか互換性がないということ。キャノンのボディにニコンのレンズは使えません!
なので購入するときはボディとレンズのマウントが同じものかちゃんと確認しましょう。ちなみにシグマやタムロンなどのメーカーはキャノン向け、ニコン向けのレンズマウントのレンズをそれぞれ出しています。
というわけで最初に買うカメラを何にするかによって、ほとんどの人は今後付き合っていくカメラが決まってきます。レンズは高いのでそんなにいろいろ買えないですからねえ。慎重に選ぶようにしましょうね。
画質を決めるイメージセンサーと有効画素数
先程も言いましたが、イメージセンサーによって写真の画質が左右されてきます。特にサイズと有効画素数は注目すべきポイントです。
センサーサイズ
一眼レフにおけるセンサーサイズは、35mmフルサイズ、APS-C、4/3(フォーサーズ)が主なものです。サイズが大きい物ほど画質が良いと言われていますが、高価格でカメラも大きく重くなってしまいます。
僕も持っているSONYのRX-100などの高級コンデジは1型と呼ばれるセンサーサイズです。一般的なコンデジはもう少しサイズが小さくなってきます。
ちなみにキャノンのAPS-C機は他社のAPS-C機よりもセンサーサイズが一回り小さいです。
有効画素数
有効画素数も画質を決める上で重要な要素です。しかし画素数が大きければ大きいほどいいというわけではありません。
画素数が大きいほど細部に渡るキレイな描写が可能ですが、センサーサイズが同じならば画素数が大きいほど取り込む光の量が減って画質低下してしまいます。つまりセンサーサイズと画素数とのバランスが大事なんですねー。
事実、多くのプロカメラマンが愛用している最上級のフラッグシップ機では、フルサイズにもかかわらず画素数を抑えています。例えばNikon D4は1620万画素ですし、Canon EOS-1D Xは1810万画素だったりします。
イメージセンサーの種類
イメージセンサーにはCMOSとCCDの2種類があります。
CCDは構造がシンプルなので小型化しても光を集めやすい特徴がある一方、CMOSは消費電力が少なく、一眼レベルの大きさのカメラであれば十分光を集められるといった特徴があります。
最近は高画質化、低コスト化のためCMOSが主流になっているみたいですが、CCDも一部のコンデジで使われています。
また、イメージセンサー前にはローパスフィルターが備わっています。
ローパスフィルターにはレンズを通す像を僅かにぼかすことでノイズを抑える役割があります。しかし解像度が僅かに落ちると言われており、近年ではNikon D800Eなどのローパスレス商品が出てきていますね。
撮った写真を記録するメディア
カメラ内には内蔵メモリが搭載されており、撮影した画像の一時的な保存場所として仕様されています。
メモリカードは書き込みが遅い一方、内蔵メモリには高速で記録することができます。なので内蔵メモリが大容量なほど高速連写や続けて撮影できる枚数が増えるのです。
撮った写真をたくさん記録するにはSDカードも必要ですね。これも容量(GB)や最大転送速度(MB/s)など考慮して自分の希望にあったものを選ぶようにしましょう。
画像をメディアに記録するときのファイル形式は数種類ありますが、一般的なものはJPEGとRAWです。
JPEGは最も一般的なファイル形式です。パソコンに取り込んでそのまま閲覧できます。
RAWは高画質な生データなので、ファイルサイズが大きいです。専用のソフトを使ってJPEGなどのファイルに現像してから閲覧できます。気に入った写真はPhotoshopやLightroomなどで編集して楽しんでいる中上級者も多いと思います。
写真撮影時の設定の基本
ISO感度
絞りやシャッタースピードの他にもう一つ、取り込む光をコントロールするための重要な要素があります。それがISO感度です。
ISO感度の数値は撮影時に取り込む光の量を表しています。
数値が小さいほど感度が低く多くの光が必要になりますが、きめ細やかでノイズの少ない写真が撮れます。一方で数値が大きいほど感度が高いので光の少ない場所でも撮影が可能ですが、ノイズが大きい写真になります。
低感度撮影は晴天の風景写真などに、高感度撮影は夜景や星空撮影、室内でのスポーツ撮影などに有効です。
高感度におけるノイズはカメラによって異なり、一般的にセンサーが大きいほど高感度でのノイズが少ないです。
手ぶれ補正機構
撮影して家に帰ってパソコンで写真をみたらぶれていたなんてことが僕はよくあります。手ぶれ補正を使えば少々のぶれならば抑えることができます。
手ブレ補正機構には、レンズ側で補正するものとボディ側で補正するものの2種類があります。
レンズ側で補正するものがレンズシフト方式です。手ブレを検知してレンズ内の補正レンズを制御し、光軸のブレを相殺することで補正するというしくみです。CanonやNikonなどの多くのメーカーはこのレンズシフト方式を用いています。
一方でボディ側で補正するものがイメージセンサーシフト方式です。光軸のブレに合わせてカメラ本体側のイメージセンサーを動かすしくみで、装着するレンズにかかわらず手ぶれ補正が使えるのが大きなメリットです。OLYMPUSがこの方式を取り入れていますね。
フォーカス
多くのカメラ、レンズには自動でピントを合わせる機能、オートフォーカス(AF)が備わっています。
カメラの種類によってAFの速さや正確さが違うので、カメラ選びの際にはしっかり吟味して購入しましょう。
ちなみにマニュアルフォーカス(MF)は、手動でレンズのピントリングを回してピントを調節することです。
ホワイトバランス
被写体を見た通りの色合いに写したりするための機能です。晴天、曇天、蛍光灯など、自分の写したいイメージのものを選んで撮影することができます。
オートに設定しておけば大体の場合は見た目通りに写してくれます。
まとめ
自分もカメラを始めてからしばらくの期間はただ撮るだけの人間だったので、原理や基本を頭に入れておくことの大切さを痛感しています。
基本を理解していれば、撮影回数を重ねるごとに上達も早くなるし、撮影が楽しくなると思います。
それでは楽しいカメラライフを!